薬膳を学び始めると、
乾燥する
↓
潤い不足
↓
陰虚
↓
じゃあ、潤すものを摂らなきゃ!
という流れで考えたくなることがあります。
もちろん、これは間違いではありません。
東洋医学では、体を潤し、熱を冷まし、心身を静かに保つような働きを「陰」として考えます。
この「陰」が不足すると、
・肌や髪が乾燥する
・喉が渇きやすい
・目が乾く
・寝汗をかく
・手足がほてる
・夜になると落ち着かない
・眠りが浅い
・イライラや焦りが出やすい
といったサインが出ることがあります。
だから、陰虚タイプの方には、潤いを補う食材や生活養生が大切です。
でも、ここで一つ気をつけたいことがあります。
それは、
「乾いているから、とにかく潤せばいい」
だけで終わらせないこと。
実は、体が乾いている背景には、いくつかの理由があります。
例えば、
忙しすぎて、休む時間が足りていない。
考えすぎて、頭や神経を使いすぎている。
睡眠不足が続いている。
緊張が抜けず、常に交感神経が優位になっている。
年齢や更年期の変化で、潤いを保つ力が落ちている。
辛いもの、カフェイン、アルコール、夜更かしなどで、内側の潤いを消耗している。
つまり、陰虚は単なる「水分不足」ではなく、
“体を休ませる力”や“クールダウンする力”が足りなくなっている状態とも言えます。
だから、ただ白きくらげや梨、豆腐、百合根、黒ごまなどの潤す食材を足すだけでは、追いつかないこともあるんです。
どれだけ潤すものを食べても、
💤寝る時間が遅い
🧠スマホや情報で脳が休まらない
☺人に気を遣いすぎている
📝いつも予定を詰め込みすぎている
☂自分の本音を後回しにしている
そんな生活が続いていると、潤いはどんどん消耗していきます。
薬膳で大切なのは、
「何を食べればいいか」
だけではありません。
その前に、
「なぜ、そんなに乾いてしまったのか」
「何を使いすぎているのか」
「どこで消耗しているのか」
を見ることが大切です。
特に40代以降の女性は、
頑張り方を変えていく時期でもあります。
若い頃と同じように、
気合いで乗り切る。
寝不足でも動く。
誰かのために自分を後回しにする。
不調を感じても、まだ大丈夫と流す。
そんな日々を続けていると、
体の内側の潤いだけでなく、心の余白まで乾いてしまうことがあります。
陰虚のケアは、
ただ「潤す食材を食べること」ではなく、
自分を乾かしている暮らし方に気づくこと。
そして、少しずつ
“がんばり続ける私”から
“ちゃんと休める私”へ戻っていくこと。
例えば、
夜は少し早めにスマホを置く。
温めすぎる養生ばかりに偏らない。
辛いものや刺激物を摂りすぎない。
予定を詰め込みすぎない。
深呼吸する時間をつくる。
「本当は疲れている」ことを認めてあげる。
こうした小さな見直しも、立派な薬膳的養生です。
潤いは、食べ物だけで作られるものではありません。
安心する時間。
よく眠ること。
心がほっとする香り。
自分の声を聞くこと。
ちゃんと休むこと。
そういうものも、体と心の潤いになります。
薬膳は、
「陰虚だからこれを食べる」
という単純な答え合わせではありません。
“その人がどう乾いてきたのか”
“どこで消耗しているのか”
“今、本当に必要なのは何か”
を見ていくものです。
だから私は、
体質だけを見るのではなく、
暮らし方、心の状態、睡眠、食事、香り、季節の影響まで含めて、
その人に合った整え方を大切にしています。
「潤すだけでは追いつかない」
「休んでいるはずなのに、なぜか乾いている」
「更年期に入ってから、体も心も落ち着かない」
そんな方は、
もしかすると“陰虚”というサインを通して、
体が「もう少し自分を大切にして」と教えてくれているのかもしれません。
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